一部のトレーダー間で人気になっているRCIですが、インターネット上ではRCI最強などともいわれています。しかし、いくら調べても根拠となるデータは見つからず、情報が少ないことをいいことにビジネスに繋げるために大袈裟に煽っているようにも感じます。インジケーター+裁量であれば、いくらでも成績を加工できてしまいますので、純粋にRCIの有効性を調査してみたいと思います。そこで今回は、RCIの手法をEA化して有効性があるのかを検証してみました。
RCIは上限100%、下限100%として、1本のラインで売られすぎ買われすぎを確認したり、複数ラインのクロスや傾きなどで売買タイミングを計る方法が一般的なようです。
RCIを利用した手法はネット上でいくつか公開されていますが、今回はRCIを短期・中期・長期の3本表示してデイトレードで有効なのかを検証していきます。
RCIトレード手法の詳細
今後もRCIのトレード手法については様々なパターンをバックテストしていこうと考えていますが、第1弾として以下の売買ルールで検証してみました。
RCI売買ルール USD/JPY5分足を使用
【買いの場合】
条件① RCI3本(短期・中期・長期)が-70%以下。
条件② RCI短期が-70%を上抜ける。
条件③ 買いエントリー。
【売りの場合】
条件① RCI3本(短期・中期・長期)が+70%以上。
条件② RCI短期が+70%を下抜ける。
条件③ 売りエントリー。
【リミット条件】
値幅で条件設定
+5pipsから+35pipsでそれぞれ検証(最適化)
【ストップ条件】
値幅条件設定
-5pipsから-35pipsでそれぞれ検証(最適化)
バックテスト期間 2017年1月~2019年12月まで
上記条件で一番成績が良かった結果が下です。
調査した中で一番成績が良かったルールは、エントリーは上記条件で買いリミット15pips、売りリミット20pips、買いストップ30pips、売りストップ30pipsとなっています。成績が一番良かったといっても、プロフィットファクターは1以下の0.94です。約3年のRCI5分足デイトレード手法のバックテスト結果では、RCIの有効性は確認できませんでした。
リミットとストップを5pips~35pipsに設定して最適化した結果です。
今回のバックテストでは、どの条件もプロフィットファクター1以下で有効性を確認できません。
RCIデイトレード手法の詳細
RCI3本を使い実際にどのようなポイントで勝ち、負けたのかを分析していきます。
RCIパターン①(上図)
緩やかなトレンドでは、ほぼ天井付近をとらえる売買シグナルとなっています。
RCIパターン②(上図)
売り条件となっていますが、押しが浅くストップにかかるパターンです。
RCIパターン③(上図)
トレンド転換、ダウントレンドの戻しをうまくとらえています。
RCIパターン④(上図)
上下に荒い動きですが、ロジックが値動きにハマっていることがわかります。
RCIパターン⑤(上図)
この手法の最大の弱点となっているパターンです。トレンドが発生して、押しや戻しをほとんど入れずに一方項に進む場合に負けを連発していることがわかります。
RCI3本(短期・中期・長期)を使ったトレード手法に、中期と長期の2本ラインが上に張り付いているときに短期ラインが-70%を下から上に戻すときにエントリーするロジックがあります(売りの場合は逆)。強いトレンド状況では、こういった手法に切り変える必要があり、1つのロジックだけでは相場に対応できていないということが今回のバックテストでわかります。
RCIデイトレード手法を分析して
今回検証したデイトレード手法では残念ながら、RCIの有効性を確認することはできませんでした。
しかしロジックの得意・不得意を分析していくことで改善策を発見することができ、次の検証で役立つことは間違いありません。今後も時間に余裕があるときにRCI手法を検証していきます。
RCIはトレーダーに人気のツールになっていますが、裁量を入れたRCI手法を高額販売している業者には注意した方がいいでしょう。流行手法+裁量といった商品は、いくらでも成績ごまかすことができます。どの時代も流行に乗っかって投資家を騙す業者はたくさん存在します。
あなたがトレーダーをカモにする業者に騙されないためにも、偽物と本物を見分けるだけの知識や技術を身につけていくことです。
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