エリオット波動を詳しく解説

テクニカル分析

トレーダーに人気があるテクニカル分析の1つにエリオット波動があります。
エリオット波動を主軸にトレードスタイルを構築している方もいれば、エリオット波動に否定的なトレーダーがいるのも事実です。個人的にはエリオット波動を主軸にトレードすることはありませんが、エリオット波動理論は基礎レベルの知識として学習しておいて損はないと思います。肯定派もいて否定派もいるのが相場ですから、一部のトレーダーの手の内を知るという意味でも勉強になります。

エリオット波動理論は、アメリカのラルフ・ネルソン・エリオットが株価変動の原理として発表したもので、アメリカの3大理論の中の1つ。現在は、株式市場だけでなく、FXや先物市場でも広く用いられている理論です。1946年にNatures Law(自然の法則)で、エリオット波動の基本はフィボナッチ数列だと書いています。

エリオット波動の基本 推進波は5波構成、修正波は3波構成

 

エリオット波動理論の基本として、5波の推進波と3波の修正波(合計8つの波動)を1つのサイクルと考えます。
これはダウ理論の「主要トレンドは3段階から成り立つ」という考えからきており、ビジネスで使われるPLC(プロダクトライフサイクル)、導入期→成長期→成熟期→衰退期の考えにも似ています。

メジャートレンド方向の波がアクション波(Actionary Waves)で、メジャートレンド方向とは逆の波がリアクション波(Reactionary Waves)になります。エリオット波動を詳しく解説した本「Elliott Wave Principle: Key to Market Behavior」によると、推進波や修正波の中の波形でトレンド方向へ機能した波をアクション波と考え、トレンド方向を否定(逆に機能)した波をリアクション波と考えるようです。

上図の上昇5波(推進波)、下降3波(修正波)の中で、
アクション波は1波・3波・5波・A波・C波。
リアクション波は2波・4波・B波。

 

鈴木

エリオット波動は、ダウ理論やフィボナッチと深く関係しています。
より深くエリオット波動理論を理解するのであれば、ダウ理論やフィボナッチの学習が必要になります。

 

エリオット波動はフラクタル構造になっています。

フラクタル構造とは、幾何学の概念で全体の作りと部分的な作りが相似していることを意味します。エリオット波動のフラクタル構造とは、例えば日足ベースで5波の推進波と3波の修正波(合計8つの波動)を形成していく中で、下位足となる4時間足や1時間足でも5波の推進波と3波の修正波を形成していくという考えが基本にあります。

エリオット波動基本原則
エリオット波動の3原則
①2波のリアクション波が1波のアクション波のスタート地点を割り込まない。
②アクション波(1波・3波・5波)の中で3波が一番短くなることはない。
③4波のリアクション波が1波のアクション波の高値を割り込むことはない。
実践の相場でエリオット波動をカウントしていると、原則に一致せず3波が一番小さかったり、4波が1波の高値を割り込むケースが見られます。本家では波のサイズは値幅でなく変化率で確認していく必要があり、原則に一致しないケースではカウント方法が間違っていることも考えられます。波サイズのカウントに関しては、分析する人によって変わってくるので肯定派と否定派で意見が大きく分かれそうです。

 

推進波 アクション波とリアクション波のパターン

推進波のアクション波は1波と3波と5波。リアクション波は2波と4波です。
フラクタル構造で解説しましたが、例として上位足(日足)で1波を形成する際に、下位足(4時間足や1時間足)でも似た動きとなり、推進5波を形成すると基本は考えます。ここでは下位足となる波形パターンについて解説していきます。

アクション波 1波、3波、5波(推進波)

推進波の中のアクション波である1波、3波、5波を形成する際に下位足でよくみられるパターンは2つあります。

1つめは、インパルス。(上図左)
2つめは、ダイアゴナル。(上図右)

インパルスはエリオット波動の3原則通りのパターンで、ダイアゴナルは4波が1波の高値を割り込むという特徴があります。3原則だけを把握していた場合には、ダイアゴナルの型になるとカウントが難しくなってしまいます。

リアクション波 2波、4波(推進波)

推進波の中のリアクション波である2波、4波を形成する際に下位足でよくみられるパターン。

エリオット波動のパターン

 

 

エリオット波動とフィボナッチ

エリオット波動はフィボナッチと深い関係性があります。
ここでは推進波のフィボナッチを使った押し目目安とターゲット目安を紹介していきます。

推進波の中のリアクション波である2波と4波のフィボナッチリトレースメントの目安は、38.2%~61.8%が基本となります。簡単に言えば、上昇トレンドの押し目になる目安ですね。

次に推進波の中のアクション波である1波のターゲット目安は、フィボナッチ・エクステンションの161.8%、261.8%、423.6%が基本となります。

最後に5波のターゲット目安は、1波のサイズの61.8%、100%、161.8%が基本です。

エリオット波動理論について

このページで紹介したエリオット波動理論は、基本的なポイントを簡単にまとめているだけで応用など含めると軽く数十ページを超えるボリュームとなります。本気でエリオット波動を学習したい方は、専門書が数種類販売されていますのでそちらで深く学ぶことでトレーダーとしての視野は広がります。

エリオット波動をカウントする便利なツール(MT4インジケーター)もネット検索すると無料配布されてはいますが、カウント精度はいまいちのようです。下記で簡単に紹介しておきます。

エリオット波動をカウントするMT4インジケーター

エリオット波動MT4インジケーター

ZigZagを利用してエリオット波動をカウントするMT4インジケーターです。
押しや戻りの目安となるボックスなども自動で描かれるようです。アイデアは素晴らしいのですがZigZagベースなので、カウントの精度がいまいちで実践での使用は難しいかもです。

ダウンロードは以下のサイトからできます。
FXナビさん→

 

エリオット波動インジケーター

ダウンロードは別サイトになります。
FX ElliotWave.ex4
ダウンロードはこちら→

 

 

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