ダブルトップ・ダブルボトムのエントリーとターゲット解説【チャートパターン】

テクニカル分析

ダブルトップやダブルボトムは転換を示唆するパターンで、ターゲットはネックラインを中心とした1:1の比率となります。どのチャートパターンでも共通することですが、パターンが完成したから必ずターゲットまで到達するというものではなく、どのような環境でチャートパターンが形成されたのかという背景がとても重要です。

ダブルトップとダブルボトムのトレード戦略

上昇トレンドの天井付近で確認できるダブルトップや下落トレンドの底付近で確認できるダブルボトムをトレードでは狙っていくようになります。トレンドの天井や底を分析する方法としては、波動理論やフィボナッチなどやり方はいくつか存在します。

ダブルトップやダブルボトムのエントリータイミングとしては、ネックライン付近での仕掛けが基本となります。

ダブルボトム エントリータイミング

ダブルボトムの形の違うエントリータイミング

 

ネックラインをブレイクで狙うか、プルバック(ブレイク後の戻し)で狙うかは、どちらが正解ということはなく状況次第となります。

初心者のうちはチャートパターンの完成を待ってトレードするかもしれませんが、下で解説する実践的なダブルボトムトレードを確認していただくとわかりますが、トレード経験を積んでくるとチャートパターン完成前にいくつかのトリガー条件が揃いエントリーをするケースもよくあります。結果的にダブルトップやダブルボトムが完成するということもよくあります。

ネット上で公開されている記事を拝見すると、ブレイク後の戻し(プルバック)を待ってエントリーする方がダマシや失敗しにくいと書かれているサイトを目にしますが、ブレイク後に戻すか戻さないかは相場次第です。統計データから確率的優位性を導いてくればわかることですが、一番重要なことはどのような背景でダブルトップやダブルボトムが形成されたのかということです。

 

ダブルボトムとダブルトップのターゲット

チャートパターンのダブルボトムとダブルトップのターゲット

ダブルトップのターゲットは、直近波形高値からネックラインまでの値幅1:1が基本。
ダブルボトムのターゲットは、直近波形高値からネックラインまでの値幅1:1が基本。

 

実践的なダブルボトムのトレード戦略

初心者の方には少し難しい内容になりますが、より実践的なダブルボトムを利用したトレード事例を解説していきます。

クリックで画像拡大できます。
チャート青色の点線枠をTrend Aとした場合、Trend Aの定義を崩したのがTrend Bの波(ピンク色の点線枠)になります。
Trend Aの安値から高値にフィボナッチを引きます。このフィボナッチ(青色)は上昇目線の戻しを狙う買い勢力。
Trend Bの高値から安値にフィボナッチを引きます。このフィボナッチ(赤色)は下落目線でターゲットとなるフィボナッチ・エクステンション128.2%~161.8%を狙う売り勢力。

Trend Bで上昇の流れを崩され、相場はダウントレンドになりました。
チャート右側のダブルボトムを形成したポイントを注目してみましょう。

ダブルボトムを形成したポイントでは、青色のフィボナッチ・リトレースメント61.8%~76.4%のゾーンに到達。買い勢力が押し目買いを入れやすいポイントになります。次にTrend Bのフィボナッチ・エクステンション(赤色)を確認すると、161.8%付近に到達して売り勢力の利益確定が入りやすいポイントになっています。

上記理由から、買い勢力は押し目買いを入れ、売り勢力は利益確定の買いを入れるという状況になり、ダブルボトム形成で更に新規買い注文が入りやすい場所だということがチャートから認識できます。

単純にチャートパターンだけを確認していると背景で何が起こっているのかを認識しづらいですが、フィボナッチ分析や買い勢力や売り勢力の心理を読みながらパターン分析を行うことで確度の高いトレードが可能になってきます。

 

ダブルトップとダブルボトムのダマシについて

ダブルトップやダブルボトムの場合、下位足になればなるほどダマシにあいやすくなります。
日足や4時間足というのは多くのトレーダーが分析してチャートパターンが認識されやすいのですが、チャートパターンの統計データから考えると1時間足以下のチャートパターンの成功率は想像以上に低くなっています。1時間足以下のチャートでダマシ回避などを考えるのは時間の無駄かもしれません。

ダブルトップやダブルボトムのダマシで確認できるケースとしては、
・トレンドのターゲットに到達していないケース(転換パターンにありがち)
・ターゲットの選択ミス
・指標やファンダメンタルズが影響するケース
・パターンを確認している時間軸が相場のボラにあってないケース


ダブルトップやダブルボトムがどのように形成されるのかを背景分析しながら読み解くことで、実践トレードでどのように立ち回ればいいのかは見えていきます。

相場は波を描きながらアップトレンドを形成したり、ダウントレンドを形成していきます。
上図を確認していただくとPattern Aのように高値を更新すれば上昇継続となり、Pattern Bのようにサポートラインをブレイクしていけばダブルトップが完成します。チャートパターンのダブルトップが完成したのは結果であり、パターンの完成が大事なのではなく、相場のどの局面でパターンが完成したのかが重要となります。

ダマシののケースを考えてみましょう。

ダブルトップのダマシ

上図ではsupport Aを下抜けした時点で、ネックラインとなりチャートパターン的にはダブルトップが完成しています。
しかしsupport Bを抜けるまでは、ダウ理論のトレンド定義としては上昇継続となります。図では結果的に高値をブレイクしてダブルトップのダマシとなっています。

あなたなら同じような状況になった場合、チャートパターンのダブルトップを信じて売りますか?ダウ理論を信じて買いますか?

ある程度学習している方であれば、上の図だけでは買いか売りかはわからないという答えになるのではないでしょうか。上の図で得られる情報は、高値と安値を切り上げている上昇トレンドの一部分を切り取っているだけでしかありません。どのような背景で上昇しているのかや、時間軸や時間経過もわかりません。

トレードで結果を残せていない人の中には、上記のように一部分だけの情報でトレードしているケースもあるのではないでしょうか。

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